2015/02/05

先日このBLOGでも書きました通り、現在ミニチュアベアリング向けのオイルを2種類試作していますが、もう数年前からスケートボード、フィッシングリール、ラジコン、エアガンなど、ミニチュアベアリング用として様々なジャンルで発売されているオイルを市場調査して来ました。
画像はその中でも恐らく化学合成または半化学合成を使用しているであろうオイルですが、これらだけを残してターゲットサンプルとし、残りのシリコン系や鉱物油系は比較対象にならないので全て廃棄しました。
市場のミニチュアベアリング用として最も優秀だったのはフィッシングリール用オイルで、その中でもチューニング系はかなり優秀でした。ただ、恐らく化学合成でも100%では無い物も多く、溶剤希釈型の物も多く存在していました。
それを見分けるのは簡単でまずは揮発するかどうか、そして引火するかどうか。これらを真っ先にテストした結果上記に該当する物は溶剤希釈型です。更に残った物は回転させながら負荷をかけパーツクリーナーやアルコールで油膜を攻撃してみる。目視で簡単に油膜が切れ直ぐに焼き付く場合はほぼ100%化学合成ではないと思います。
厳密に言えばキチンとした機関でテストを行わなければ詳細な成分は判明しませんが、これら簡単なテストだけで恐らく大凡の見分けがつきます。
ラジコンやエアガンの市場では大半がシリコン系か鉱物油で占めており、価格も¥1000弱に設定されている物がほとんどです。これだと一瞬安価に思えますが、実は上記材料は極端に安価なので容量にもよりますが原価はおよそ¥10や¥20程度でしょう。いわゆる容器の方が高価と言う奴です。
それに比べると化学合成を使用しているであろうフィッシングリール用オイルは流石に同容量でも¥2000前後とほぼ倍の価格です。
それでも持続する効果や油膜の強度、負荷や荷重への対応数値、気温や湿度による粘度変化の少なさなどを加味すれば結果的に化学合成の方が安価に済みます。
ただ、初期の潤滑性能だけで言えば実はそんなに変わりはありません。鉱物油は感触的に滑らかでヌルっとしたいかにも潤滑しそうな印象があり、一方の化学合成はサラっとしながらもずっと油っぽいと言う印象です。
重要なのは上記で感じた印象が感覚的にどれ位の期間どれ程の負荷に対し保つのかと言う事で、寿命や酸化を考えると化学合成は圧倒的に有利となり、それは価格比よりも遥かに効率的な比率となります。
なので難しい検査や試験を行わなくても上記の様に感覚的に効果を実感していただけると思います。
もちろんBOREDでは材料となる成分を明確に表記していますので、調べる所で調べれば全て嘘の無い成分だと判明出来ますが、提携する業者へ無理を言いその中でも最高品質な材料を使用しているので、簡単に言えば「最高に濃い」オイルとなっています。
このBLOGを見ている方の大半は自転車関係だと思いますが、今度発売するこれら2種類のオイルは決して自転車に使用出来ない訳ではありません。荷重の小さな部分や間接などには十分対応出来る内容です。例えばディレイラーのプーリー、シフトレバー、ブレーキレバー、ブレーキアーチなど。でもそれらの場合はLIGHT DUTYを使っていただいた方が無難かと思います。
と言う事で連日深夜テストやサンプル製作を続けている為にこんな内容ばかりアップしていますが、相変わらず金属には油が必要だと言う根本的な理屈からマニアックを突き詰めています。興味のある方だけ参考にしてみて下さい。