2018/04/26

METHODの新製品として現在最終サンプルの調整作業を行っていますグリスについてインフォメーションさせて頂きます。
現在METHODのグリス製品に関しましてはLDG、THG、BSLGの順に粘度変化と各種特性にてバリエーションしていますが、BOREDが考えるグリスとはあくまでもグリスに含まれる油分が重要であり、それを一定箇所に留まらせておく為にグリスが存在していると言う考えに基づいています。
つまりどんなに薄い状態でも油膜が存在し、対象物同士の摩擦数値をオーバーする事が無ければ対象物は無傷でいられるはずと言う視点からの事で、グリス自体の主成分となる増ちょう剤についてはオイルの保持剤的な役割程度に認識していました。
これは現在も変わりない考えではありますが、数年前からフィッシング関係のお取り扱いDEALERが増えた事により、フィッシングリール内の金属同士による接触音や接触感を解消する目的として使用される場合も多いと言う点を指摘されました。
本来は金属表面が油膜で保護潤滑されており、回転や衝撃などにより金属同士が直接触れ合わなければOKなので、BOREDではこの15年間一貫して油膜の極圧性と吸着性だけを追求し、各種オイルの粘度レベルに対する耐久性をバリエーションして来ましたが、それにプラスして緩衝材としてのグリスを求められる必要性が生じ、現在のラインナップよりも高粘度化させて剪断性と適応温度範囲を広げる目的として新たなグリス生産をスタートさせる事となりました。
現在のラインナップ中では超低粘度のLDGは実質ちょう度00号以下でTHGは実質ちょう度00号相当となりますが総じてちょう度0号と表記しており、低粘度のBSLGは実質ちょう度1号以下となり同じくちょう度1号として表記しています。
この辺りの表記は産業機械や工業機械の様にメーカー指定が厳密でないホビー分野においては殆ど意味が無い事となりますが、敢えて大まかな粘度目安として表記しています。
つまり現在のMETHODグリスは実質ちょう度1号以下の低粘度に限定し、それは液体であるオイルとは異なりながらも半固体としてグリスに多少の流動性を敢えて持たせた事によるもので、それに併せて巷で言われる非ニュートン系として粘弾性添加剤を多く配合し遠心力や重力に逆らう様に流動させる目的からとなります。
では今度の新製品グリスはと言うと実質ちょう度で2号として、世間一般で汎用的なちょう度と同等の使い易さとした粘度設定としていますが、上記同様に流動しないグリス自体は遠心力で吹き飛んだまま意味の無い箇所に留まってしまう事が非常に多い為、多少の流動性を持たせる意味で高分子な合成炭化水素を化合物として添加させ、流動性と粘弾性は引き続き加味させたMETHODらしいグリスとなります。
また、グリスの増ちょう剤自体もリチウム系とは異なる材料を使用していますが、これはグリス繊維を更に大きく長く複雑化させた物を使用し、剪断性を約2倍とする事で緩衝材としての寿命を大きく伸ばす目的からとなります。
この新たな増ちょう剤自体には良好な耐水性が得られる為に、結果的に他に添加する防錆剤と共に防錆性に優れたグリスとしても機能する事となります。
最終的な製品詳細は後日追ってご紹介致しますが、概要としては上記の様になりますのでBSLGと同クラスのグリスとして新たに通常ラインナップ予定となります。
参考までにこの新製品グリスの発売と同時に現在のBSLGのネーミングだけを変更する予定となりますので、併せて後日インフォメーションさせて頂きます。