サイクルハブで使用されているシールドベアリングにおいて中身のグリスが完全に酸化している場合や、ベアリングに軽く異音が発生している場合など、すぐに交換ベアリングの入手が難しい場合やインチ規格などにより入手が困難な場合でも先ずはベアリングをパーツクリーナーなどで洗浄した後、リテーナーやボールへMETHODのEMGエマージェンシーオイルを注油してみてください。
具体的なやり方として、チャック付ビニールや紙コップなどで構いませんので、ベアリングが完全に浸る位パーツクリーナーに漬け込んで30分ほど放置します。
その後パーツクリーナーのスプレー噴射力を使用して軟化した古いグリスを吹き飛ばし、更に再度新しいパーツクリーナーへベアリングを漬け込みます。
10分程度漬け込んだ後はキッチンペーパーなどの上でベアリングを自然乾燥させますが、その時点で軽く異音が発生していても構いません。
シールドベアリングがメトリック規格の4桁6000番台またはインチ規格のR8以上であれば最初にEMGのHを5~6滴注油し、その後ドライヤーなどでベアリングを60度目安で5分ほど温めながら指でベアリングを回転させます。
そして再度ゴムシールする前にEMGのHを2~3滴注油して更に指10分ほど回転させます。
余分なはみ出して来たオイルはウエスなどで軽く拭き取り完了です。
また、シールドベアリングがメトリック規格の3桁600番台のミニチュアまたはインチ規格のR6などであればEMGのLでも構いません。
シールドベアリングのボールや筐体にヤキツキ痕やカジリ痕が見えていても、EMGを注油した事で以前使用されていた酸化したグリスよりも確実に保護効果が増し、当然ながら新品には劣りますが通常レベルの回転であれば継続させる事が出来ます。
この場合は非接触型または接触型の両面ゴムシールされているベアリングが前提となりますが、EMGを注油した状態で暫くは使用を継続する事が出来るでしょう。
本来は当日や数日の使用後に新たなシールドべリングへ交換する事が推奨となりますが、どうしても冒頭の様に新たなベアリングの入手に時間を要する場合は有効な手段となります。
季節の変わり目ではありますが未だ台風などへの懸念続きますので、しっかりとしたメンテナンスを行い特に回転部のチェックはお忘れなく。