2020/11/19

連日アナウンスしております様にBOREDのMETHODより新製品グリスとして12月の発売に向けた最終調整を行っております低粘度ウレア系グリスですが、今回の発売に際し改めて製品の詳細と特徴をご案内致します。
今回の新製品グリスは既存製品の高粘度なDELTAグリスと中粘度なALPHAグリスに次ぐウレア系グリスとして、低粘度となるちょう度0号相当のグリスとなります。
一般的にあらゆる市場で多くを占めるリチウム系グリスと比較して、ウレア系グリスは汎用レベルのおよそ2倍の耐久性を持つ事が特徴となります。
特に耐水性と熱変化における耐久性が大きく異なり、例えば耐水性においては常に水の流れによる影響を受けている状況や完全に水没している水中での状況においても塗布された箇所に定着しながら性状を維持する事が出来ます。
もちろん高圧洗浄機などによる強制的な圧力には耐える事は出来ませんが、METHODがメインとしているホビー用途ターゲットにおいては想定内の水による影響にてグリス自体を完全に失ってしまう恐れはありません。
そして熱変化においては、通常リチウム系グリスは高温下になるとグリス自体の軟化が急激に促進され、配合された油分が分離し易い状態となりますが、対してウレア系グリスにおいてはその高温下による軟化の影響が少なく、また油分の分離も非常に少ない事が特徴となります。
METHODウレア系グリスにおいては主成分のグリス増ちょう剤にウレア化合物を使用し、セミシンセティックグリスとして鉱物油をベースに合成油をバランス良く配合した油分が配合されています。
これらに特殊な表面改質被膜を生成する極圧添加剤を高配合し、更に各種添加剤を配合した事で全天候型として水分、高温、摩擦、衝撃、酸化を防ぐマルチパーパスな高次元に対応したグリスとなっています。
もちろんMETHODのポリシーでもある環境や生物に有害となる塩素系材料や重金属材料は一切使用せず、テフロンやモリブデンなどの固形添加剤も一切使用しておりません。
一般的なリチウム系グリスと比較して、滑らかながら密度や比重の高いネットリとモッチリとしたフィーリングはウレア系グリスの特徴でもあり、使用対象物に絡み付く様な厚みのある油膜の存在をご確認頂けると思います。
また、METHODウレア系グリスの特徴として粘度差による性能数値の変化も殆ど起こさず、今回発売する低粘度の新製品グリスと既存の高粘度なDELTAグリスにおいても極圧や剪断など特にディフェンス面の数値は殆ど変わる事が無く、低粘度だから弱く高粘度だから強いと言う物理的性状による数値差は実用上無いに等しい物となります。
つまり、求める運動性能により物理的な粘度抵抗を抑えたい場合は低粘度を、逆に粘度抵抗を求める場合には高粘度をと、それぞれの潤滑用途に合わせたターゲットとして使用箇所毎にセレクトして頂く事が可能となります。
高粘度のDELTAグリスは重力や遠心力による動きを最小限に止めたモッチリとした感触、その逆に低粘度の新製品グリスは動きの方向に追随する様な糸引くネットリとした感触に、その中間となるALPHAグリスは糸引く性状を持ち合わせながらも明確に両者の中間に位置する半固形状のグリスらしい感触に、各種配合する粘弾性添加剤の割合により微調整も行われています。
もちろんこれら3種においてはユーザー自身が混合してオリジナルの粘度をカスタムする事も出来るので、特に細かなパーツの集合体であり規格や型番の多いフィッシングリールや、サイクル用途での各関節に位置し荷重を最も受けやすいベアリング部全般向けとして非常に有効なグリスとなっています。
これにてシリーズ化されたMETHODウレア系グリスは全天候型として3タイプの粘度と併せ各タイプに合せた粘性のバリエーションとしてラインナップ致します。
発売に関しましては12月となりますが、具体的な販売開始の準備が整い次第改めてアナウンスさせて頂きます。