特に水辺で湿度も伴う状況と言えばフィッシングリールの独壇場となりますが、案外チューニングばかりに目をやりがちで、肝心のメンテナンスにおいては無関心な人も多いと思います。
と言っても基本はこまめなクリーニングとオイルアップさえしていれば精密で部品点数の多いリールにおいても滅多に破損する事はありません。ただし使用するオイルの種類や成分を間違えるとこの時期は大変な事になります。
BORED METHODから発売しているKRAKENとGOLYATはミニチュアベアリング専用オイルとしています。小径ベアリングを高回転及び負荷のかかる状態で使用する前提として、国際規格のISO表記でVG5と言う超低粘度なベースオイルを使用していますが、KRAKENとGOLYATを含む全てのBORED METHODオイルは100%化学合成ベースオイルを使用しています。
他社のリールオイルにおいても化学合成ベースオイルを唄っている物が多数ありますが、その内いくつかは引火性の溶剤や安価な鉱物油で希釈された100%化学合成のベースオイルではない物が多数存在しています。各社パッケージに成分の詳細を記載していない事からもその辺りに関してはアバウトな表記で済ませている様ですが、それは自社で生産していない証拠でもあるのでしょう。
BORED METHODオイル全てにおいては完全に国内生産に拘り当然ながら自社生産しています。
さて、真夏の高温状態では対応温度範囲の問題からオイルは酸化を起こしてしまいます。要するにオイルも腐ります。
上記の様に引火性の溶剤で希釈されている場合は使う毎に粘度が重くなって行き、安価な鉱物油の場合でも同じく粘度の変化や場合によっては匂いまでもが変化してしまいます。そうなると本来製品として設計した時点とは異なったオイルとなってしまう訳ですが、それら酸化を極力防ぐ物として100%化学合成ベースオイルがあり、日常考えられる対応温度範囲では熱による酸化や粘度変化をほぼ起こす事がありません。
そして、100%化学合成ベースオイルだけに特筆出来る性能として、金属の分子とオイルの分子がプラスマイナスの電気的作用により吸着します。これを化学的吸着と言いますが、簡単には油膜が脱脂し切れないほど強靭な油膜とはこの作用が大きいオイルの事を示しています。
更に圧力に対して油膜を保護する極圧性や、摩擦に対して金属面を保護する減摩性などをはじめ、その他様々な性能を各種の添加剤配合により加味する事でオイルとして成り立ちます。
BORED METHODのオイルは自転車用オイルとして誕生してから12年一貫してこの100%化学合成ベースオイルを主成分とし、更に強靭な油膜と極圧性及び減摩性に拘り、オイル業界の流行りである固形添加剤や人体や環境に有害な塩素系添加剤を一切使用しない優れたオイルとしてマイナーチェンジを繰り返しながら継続生産しています。
使用対象物が金属であれば100%の効果を発揮しますので、冒頭の様に荷重や衝撃に弱く、超高回転で連続する摩擦が発生する小径ベアリングには常にオイルアップする事で性能を長期に渡り維持する事が出来るでしょう。
チューニングとは日々のメンテナンスがあって成り立ちます。ぜひフィッシングリールにはチューニングに特化したKRAKEN、メンテナンスを想定したGOLYAT、更なる荷重や摩擦に対してはLIGHT DUTYをご使用してみて下さい。