今回新たに入手したABU 4601C ROYAL EXPRESSと以前入手したABU 4601C GUNNARを再度完全バラシして、パーミングカップからフレームまでPROTECTIVEでコーティングを行っています。
ABUのパーミングカップモデルはクラッチのベロも樹脂となりますが、これはアセトンで不要なプリントを落としてからPROTECTIVEをコーティングしていますが、結果的に樹脂本来の黒みを帯びた艶が蘇って来ました。
そして、BOREDのMETHODお取り扱いDEALERで公私共にお世話になっているHEDGEHOG STUDIOから届いたAIR HDベアリングをスプールへ組み込みますが、今回はMETHODのKRAKENオイルを1滴以下と言うか半滴ほどで組み込みします。
HEDGEHOG STUDIOのAIR HDベアリングはステンレスの10倍以上の防錆性能を誇る次世代防錆金属HRCBとセラミックボールを組み合わせ片面シールドとした究極のフィッシングリール用ベアリングですが、特筆すべきは決してフィネス用やライトリグ用では無くヘビーオンスまでもが使用範囲にあると言う事です。
とは言えフルセラミックベアリングでは無いので、ハウジング部の金属摩擦による熱膨張を防ぐ意味で必ずオイルが必要となりますが、今回はその効果を最大限生かす目的としてMETHODでは最低粘度のKRAKENオイルを半滴ほどで仕上げる事で、強靭な極薄油膜でカバーしながらも究極の回転性能を求めてみようと思っています。
また、同時に組み込む各種カスタムパーツやチューニングパーツも同様にベアリングとウォームシャフトは全てKRAKENオイルで仕上げ、メインギア、ピニオンギア、コグホイールはTHICK HEAVYオイルで、その他の各種摩擦摺動部はLIGHT DUTYで、ワンウェイベアリングは試作オイルで仕上げる予定です。
つまりビンテージでは無いながらも90年代の旧ABUとなるパーミングカップモデルを究極に仕上げ、自分がメインとするヘビーカバーやヘビーオンスのスタイルでどこまで通用するかを検証し、更にワンウェイベアリング用の試作オイルのテストも兼ねています。
2台共に全く同一仕様としますが、これはリールの個体差や使用頻度による油膜の状態を確認し易いと言う意味もあり、また全く問題点が無ければ究極の状態を維持する事が必然となりますので、先ずは本格的な真夏を前にこの状態で仕上げてみたいと思います。
それにしてもワンウェイベアリング用オイルの設計を開始してみましたが、もちろん各種リールやパーツの個体差もある上に、フレッシュウォーターからソルトウォーター、またフィネスからヘビーオンスまであらゆる状況下で使用する多種多様のリールなだけにメンテナンス方法にも定番が存在していません。
唯一の参考としてはワンウェイベアリングを製造している国内ベアリングメーカーに資料として、オイルの使用が好ましい点とその推奨粘度が表記されており、同じくフィッシングリールメーカーの純正潤滑油においてもワンウェイベアリングへの使用はオイルとして推奨されています。
その点を踏まえてキレのある潤滑、揮発性が少なく寿命の長い油膜、優れた防錆性を念頭に、その他添加剤とのマッチングも考慮しながら指向錯誤してみたいと思います。