本日も残業して新オイルの調整中です。
とにかく凄いですね、今回は全てを見直して業者と打ち合わせを重ねた甲斐があると言うか、良い業者と材料に出会う事が出来ました。
何が凄いかと言うと油膜の強度や寿命がハンパないです。雑に言うと100%化学合成オイルは基本的に安価な鉱物油や粗悪な半化学合成と比較して、価格相応にそれなりの油膜強度を持っていますが、BOREDオイルはその中でも群を抜いた油膜強度です。
良くチェーンオイルで言われる事ですが、注油するとチェーンの摩擦音が消える。これは正直何の判断基準にもなりません。注油直後はある程度粘度のあるオイルであればそれ自体がクッション剤となり摩擦音は消えます。逆に言うと粘度の低いオイルを注油して摩擦音が消えるかどうか、そしてその効果がどれほど続くか、これが重要です。
良く誤解されがちですが、過去の製品を含めBOREDのオイルはチェーンオイルではありません。元々はチューニング対象としてベアリング向けに製作し始めた物です。ただ、精度が均一化されたベアリングだけではなく、常に外気や異物に触れ摩擦の一番多い単純乱雑なチェーンやスプロケットに使用し、ある期間効果があればそれは一つの判断材料として良いオイルと言えるでしょう。その判断基準としてチェーンを始めワイヤーなどにも使用し効果を確認して来ましたので、BOREDオイルはマルチに使用可能なオイルと言うのが正解です。
そして今回から採用した粘弾性添加剤。これもULTIMATEはそのベースオイルの粘度を損なわない様に最低限度を、VERSATILEにはベースオイルの粘度を更に補助する意味での最大限度を、それぞれ特性に合わせて効果を発揮出来る適量を配合しています。この物理的特性は素晴しく、粘弾性が潤滑を妨げる事は一切ありません。特に最低限人間の体重が載っている自転車では荷重がかかるとスムーズに加速を続けるイメージです。なので、ラジコンやリールなどのミニチュアベアリングには適していないでしょう。
と近日発売となりますULTIMATEとVERSATILEにゼヒご期待下さい。これを書いている今、何度洗っても手がまだ油っぽいままです。